ノモンハン事件現地慰霊の旅 モンゴル・ノモンハン紀行
1.モンゴルに行くきっかけ
②きっかけを作ったNHKの番組
1999年はノモンハン事件から60周年と言う事で、8月17日にNHKより「ノモンハン事件60年目の真実」という番組が放映されました。(反響が大きく同年12月に再放送)偶然かもしれませんが、当日の神戸新聞には、紙面の半分を使ってノモンハン事件に関する記事が載っていたのです。「近年ロシアの情報公開で研究が進み、ノモンハン事件の新しい事実が判明してきた」という内容でした。
我が家ではノモンハン事件と言えば即、"五郎おじさんの絵の話"ですから、その夜は待ち焦がれた様に家族総出でテレビの前に座りNHKの番組を見たのです。
放送の内容は私が知っていた事件の内容とは程遠く、事件と称するよりは国境戦争と呼べるものでした。番組には航空隊の内容も盛り込まれていたので翌日、居ても立ってもいられずNHKに手紙を書きました。「ぜひとも佐賀県で健在の母の叔父に話しを聞いてきてほしい…」
その後、しばらくしてから番組担当ディレクターの鎌倉さんから返事が来ました。「直接取材は難しいが、できれば手紙を書いてみようと思う・・」と言った内容でした。私は早速、両親にその手紙を見せたのですが、父に「聞いた話しだけで何の確証もない事を手紙にしたのか!」と怒られてしまったのです。
私の考えを全て話すと父は納得してくれました。しかし、私は思いました。「確かに聞いた話しばかりで何の確証も無い。問題の油絵がどこかの自衛隊にあると聞いているが、それも定かではない。自分できっかけを作ってしまった以上、自分で捜してみるしかない。」と思ったのです。
それから絵探しが始まりました。